駒が曲がっているように見えるのですが?

写真1

立ち位置は合っているのに傾きにより足の浮き上がった状態の駒をよく目にします。特にヴァイオリンはチューニングの際にA、D、G線をペグ(糸巻き)で頻繁に巻き上げるため、駒には絃に引っ張られて指板側に向けて傾く力が働きます。その結果、駒足のテールピース側に隙間が空くことになります(写真1)。

駒と魂柱とは位置関係が重要で、その距離によって裏板が表板に及ぼす力の強さが大きく変化します(シャコンヌでは 駒の左右の足の音程を聞くことで、その距離を決めていきます)。足の浮き上がりにより、その距離が見かけより遠くなり、楽器本体と接する面(点)も不十分にもなる為、施された調整も無意味になってしまいます。

時々、駒足を真横から覗き込み、傾きに気づいたらすぐに直す習慣を身に付けることをお薦めします(写真2、写真3)。普段から注意をしていると、音の調子が安定していることのみならず、駒の反りも起こりづらいようです。濃い鉛筆(3B以上)を駒の溝に塗って、絃と駒との摩擦力を軽減させることも効果的です。また、松脂が絃と駒との間に入り込み摩擦力が増すことも、傾きの原因となりますので、ご使用後きれいに拭き取ることも大切です。

写真2
写真3