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シャコンヌでは、楽器本体を正しく修理、調整することがまず大切だと考えます。例えば、割れがある楽器は敬遠されますが、その理由は、修理の方法にあると思われます。過去に施された割れの修理のほとんどは、割れていない部分より、より丈夫で、強く、重くなっており、音響的バランスを崩しています。シャコンヌでは、割れを完全にニカワ付けした後、3mm巾くらいの細い和紙で補強します。これによって音への影響をほぼ無くしています。この様に、音を第一に考えて、本体を完全に修理しています。
楽器本体が修理、調整されたら、いよいよ駒と魂柱による最終の音調整に入ります。
魂柱に比べて、駒は単純な名前で呼ばれていますが、非常に重要で複雑な働きをします。完全な駒を製作するには、よい材料、すぐれた技術、微妙な音程を聞き分ける良い耳、そして何よりも科学的、力学的に思考する態度が必要です。その方法は簡単にはお伝えできませんが、楽器の表板、裏板の音程を調べて、最も高い音程に駒の音程を揃える、という方法です。楽器自身の強度と駒の強度を一致させる、ということでもあります。また、駒の高さやカーブの具合でも、弾きやすさや弦のバランスが変わります。
魂柱は、その名前から、神秘的でミステリアスな働きをすると考えがちですが、要するに、家で例えれば、部屋の真ん中に立っている柱です。柱は天井板と床板の間に立てるわけですから、天井板、床板とも押し上げたり、変形させたりしないように、緩く垂直に立てます。当然、板に接する面は出来る限りぴったりと作らなければなりません。
駒、バスバー、魂柱と表板、裏板の力関係が、1つのシステムになって働きます。
バスバーについて気になることは、よく「バスバーがへたる」とか「弱すぎる」とか聞きますが、むしろ、強すぎるバスバーの方がずっと多く見かけます。バスバーが強すぎては、駒、魂柱と良いシステムを組むことはできません。
最後に魂柱の位置が問題になります。駒から3mmくらい離れたところに立っているのですが、正しい位置を求めることは、勘に頼らずに完全に理論的に決定することが可能です。これによって、4弦のバランス、音色の豊かさ、音量、ピアニッシモからフォルテッシモまでスムーズに満足できる調整が完成します。(窪田)
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